2017年12月24日

そうであればといつも願う:高野寛 - Everything is good

本日は来年の2月にはデビュー30周年に合わせて新作のリリースがもう予定されている高野寛さんが今年10月にリリースしたミニアルバムを紹介します

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・高野寛 - Everything is good
@ Everything is good (YouTube)
A Portrait
B Candle of hope
C Mondo electro
D 180°
E DAN☆SHARI
F Rio-Tokyo
G 炎(1992)-"Candle of hope"Prototype
H Everything is good (2005)-Acoustic demo
I Portrait(2016)-Cassette demo
J 180°(2016)-Cassette demo
K Children's song (2017)-"Rio-Tokyo"Instrumental ver.





ミニアルバムといっても収録曲のデモ音源もあるので全部で12曲、このミニアルバムはこれまでにライブで披露してきたものやクリエーターズ・サイトで配信してきた楽曲からのセレクト、それらを更にブラッシュアップしてレコーディングされた作品集。デモ音源は92年のものもあるので、これまでのキャリアが総括された内容と言えるでしょう。88年のデビュー以来、今回のジャケットのようにエバーグリーンな魅力あふれるポップミュージックを作り続けてきた彼の魅力がギュッと詰まったアルバムだと思います。

しみじみと味わい深いタイトル曲@、軽やかなギターポップA、彼にしては珍しく情熱的なディスコ調のB、遊び心満載のインストC、70年代のアメリカのSSWを思わせるブルージーなD、ビートルズ・ライクのマージービートを聴かせたキャッチーなE、リオの夕暮れた空気が伝わってくるF、わずか7曲ではあるけどバラエティーに富み、ちょっぴりラフなサウンドからは大人の余裕が感じられます。@の歌詞で例えるならば、粗挽きの内側からも外側からも旨味が抽出された珈琲といったところでしょうか。

どの曲もメロディーは親しみやすく、且つ長く温めてきた楽曲ばかりなのでとても熟された印象。歌詞も50代になった彼ならではの視点が反映されつつシンプルに、でも@の「コーヒー」ではなく「珈琲」として深みを出させたりA「破れた言の葉を探してた」、B「空高く投げたブーメラン 受け止められなくてこの手に刺さっている」のような語彙の豊かさをアクセントとして各曲に配置していることで言葉が鮮やかに見えています。

自分はAが特に好きです。歌詞が若かった頃の自分と重なっていろいろな思いが甦ってきました。

自分が高校1年生のとき、わずかな期間ではありましたがお付き合いをしていた彼女がいました。クラスメイトの子でした。その彼女がある日、「一緒に写真を撮ってもらいたい」と言ってきました。それで放課後、それかお互い部活をやっていたので部活が終わった後のどちらかでちょっと忘れてしまったけど正門のところで2人並んで彼女の友達に写真を撮ってもらったことがあるんです。

今の時代であれば写真なんてスマホで気軽にパシャリ!ついでに自分のスマホでも撮って!というやりとりが簡単にできるけど当時は90年代の初め。ポケベルが出るか出ないかの時期、インスタントカメラで撮りました。そのためその写真は彼女だけの物であって、自分は持っていないのです。この曲を聴き、歌詞に目を通している時にその写真の行方がどうなったのかなーなんて思いました。きっと彼女はとっくに結婚をして子供にも恵まれて幸せな人生を歩んでいるはず、もう昔の男の写真なんて遠い昔にゴミとなったのだろう…なと。そういえば先日離婚が成立したある女優さんが「夫の写真は可燃ゴミ!」とメッタクソに言っていましたね…

少し前に自殺のことに触れた記事で自分自身もイジメに遭ったことを少しばかり書きましたが、そうしたことで自分は今でも人間不信。学生のときはどこのグループにも属さない、いわゆる「ぼっち」でした。だから地元にも友人と呼べる人もいなければ高校に関しては知り合いは誰もいないかも。社会人になってからもどこにも属さない人間なのは変わらず、でも自分のことを分かってくれる数少ない人がほんの少しいる程度。

それでもそんなことを何も知らない彼女はその時に見た自分を好きになってくれた、どうしてこんな自分を?と不思議が感覚でした。でもその好意が当時の自分には辛くて怖かった。それに加えて自分には既にジェンダーに対する悩みを抱えていた。もともと口下手だったので会話にも困ってしまって次第に彼女を遠ざけ、自然と終わってしまった。だから歌詞の「サヨナラさえ言えずに」「あの頃 僕は 怯えたシューゲイザー」は当時の自分をそのまま表現しているよう感じられ、彼の楽曲の中で最も感情移入した曲になりました。

Aのことばかりになっちゃいましたが珈琲の香りや湯気が伝わってくる@も好きです。

ボーナストラックになっているデモ音源も制作のプロセスがわかるのでとても貴重。デモといえども音質の違いだけでほぼ完成されている感じです。Gは92年、ちょうど5枚目のアルバム「Thanks」が出された頃のボーカルは今の凛とした佇まいを感じるボーカルと比べると炭酸ソーダみたいに弾けているのが懐かしい。

そんな彼のボーカルスタイルを探す旅の記録の中に自分たちリスナーを招待してくれたことが凄くうれしかった。そんなアルバムと出会えたことに感謝!

高野さんのアルバムレビューはこれまで3枚書いています。動画のリンクも最新にしたのでこの機会によかったら見てもらえるとうれしいです。少しずつ文章を書くのがうまくなっている?はずです



posted by waterblue at 11:51| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月23日

サンタが泣いた涙のクリスマスにRegrets

今の自分には心の痛みを感じたクリスマスがお似合いな感じ。そんなセンチメンタルなクリスマスソングを少しばかりセレクト。

・角松敏生 - サンタが泣いた日 (YouTube)

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91年リリースのバラードベスト「Tears ballad」より。このアルバムには中山美穂さんに提供された「You're my only shinin' star」のセルフカバーも収録されています。音がとても繊細で言葉がとても響く素敵なベスト盤です。

・槇原敬之 - 涙のクリスマス (YouTube)

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92年リリースの3rd「君は僕の宝物」より。槇原さんは「冬がはじまるよ」など数多くの冬の名曲を残している男性SSWの1人、というかダントツでしょうね。自分は彼しか思い浮かびません。村上春樹さんの世界観に似た歌詞がいつまでも色褪せず、このアルバムは全曲シングルカットが可能なほど素敵な曲が揃っています。

・KAN - Regrets (YouTube)

HAPPY TITLE -幸福選手権-.jpg


89年リリースの4th「HAPPY TITLE−幸福選手権−」より。「愛は勝つ」よりも前の作品になるわけですが、自分はこの曲の方が好き。このアルバムには「東京ライフ」も収録されており、彼のキャリアでも重要な楽曲が収めされた貴重なアルバムかと思います。かなーり前に当時勤めていた会社の先輩と飲みにいったバーで店員さんに「ミッチ〜(当時呼ばれていた自分のあだ名)、クリスマスソング歌って〜!」と言われてこの曲を歌ったことがあります。KANさんはおそらくビリー・ジョエルの影響が強いメロディーを書く人、歌うと結構難しい...大失敗でした。

今年はしんみりとしたナンバーがズシンときた、そんなクリスマス。

 




posted by waterblue at 17:59| Comment(0) | 今週のヘビー・ローテーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月18日

もうすぐクリスマス 2017: Sam Smith - Palace

ここ最近はずっと忙しくてわけわかめ状態気付いたらもう週末はクリスマスなんですね。

アップルの新CMもそんな感じの仕様になっていてやっぱりステキ。今回はそれをフューチャー。

・Sam Smith - Palace







アップルのCMは毎回とても綺麗なので新しいバージョンをいつも楽しみにしています。今回も期待を裏切らないロマンティックな演出が本当に素敵です。CM曲も同様でわずか数十秒にもかかわらず映像と音が一体となってその世界観に引き込まれてしまうからスゴイです。

今回はサム・スミスの「Palace」を起用、こちらは先月リリースされた2ndアルバム「The Thrill Of It All 」の収録曲。彼独特の儚くて悲しい、でも生きる希望が伝わってくるソウルフルな魅力が詰まった曲だと思います。

このアルバムからの1stカット「Too Good At Goodbyes 」が12月23日付けの全米チャートで6位にランクインされて現在大ヒット中。1stアルバムは一通り聴いて、2ndアルバムに関してはまだ視聴のみでまだ買ってないですが(というか自分の予算による順番待ち状態)近いうちにちゃんと聴きたいですね。LPがプレスされているならばLPで聴いてみたい。そしてこの曲のイメージがとても大きな比重を占めているせいか、心の痛みがアンプで増幅したセンチメンタルな作品になっている「匂い」が感じられます。




今週末はなんと自分は休みなんですね〜。でも休む度に会社から電話がかかってくる…電話の冒頭「お休みのところ申し訳ありませ〜ん」←そんなこと絶対思ってねーだろーっ!この一言、毎回イラッとします。
ラベル:UK 2010's pop SSW
posted by waterblue at 18:10| Comment(0) | 今週のヘビー・ローテーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする