2017年10月15日

孤独なハートへ処方箋: Yesterday's Headline - Lonelyhearted

今回は秋っぽいアコースティックな感じものを紹介。

Lonelyhearted EP.jpg


・ Yesterday's Headline - Lonelyhearted EP
@ If you go (YouTube)
A Would you be (YouTube)
B Lonelyhearted (YouTube)
C Yellow train (YouTube)


この「Lonelyhearted」はAndrewとJesiscaによるデュオ、Yesterday's Headlineがインドネシアのネットレーベル、inmyroom recordsから2008年にフリー・ダウンロードでリリースした1st-EP。

💛inmyrooms records- Yesterday's Headline - Lonelyhearted

アコースティック・ギターと2人のボーカル、ただそれだけで奏でられた4曲はどれも力の抜けた柔らかなぬくもりが感じられて、まるで心の傷口にそっと優しく絆創膏を貼ってもらった感じ、もしくは冴えない気持ちを察して何かを語らずとも傍にいてくれる友人みたいな感じに聴こえてリラックスできます。

このデュオに関して詳しいことは名前くらいしか分かりませんが、でもでもセンチメンタルなアコースティック・ポップを聴かせてくれる素敵なEPです。せっかくのフリーDLなので気に入ったらダウンロードしてみてはいかがでしょうか。
posted by waterblue at 02:07| Comment(0) | Free DL and Name your price | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月08日

大事なことは2度言う:Crowd Lu - What a Folk!!!!!!

今回は8月にリリースされた台湾のSSW、クラウド・ルーの最新作「What a Folk!!!!!!」を紹介。

what a folk.JPG


@ Happy Chakara
A 一坪半〜4.95u Dream〜 (YouTube)
B 携帯(一) (YouTube@) (YouTubeA)
C 夏の歌
D ムーンライト備忘録
E 今日はここで眠ろう (YouTube)
F 善良なメガネ
G 携帯(二)
H ウェディング・リング (YouTube)
I 星座の愛情物語〜蟹座は愛し続けられるのか (YouTube)
J 自分を信じなきゃ (YouTube)
K いつも信じて(「自分を信じなきゃ」日本語 ver.)(YouTube)




本作は5作目。2013年から3rd「Slow soul」(2011年)、4th「僕のギターポップ」(2012年)と日本盤でのリリースがスタート、ただ当時彼は兵役義務で入隊中だったために活動は休止状態でプロモ来日は実現せず。除隊後はシングルのMVを広島で撮影したり、サマーソニック参戦に単独ライブ、チケットは数時間でソールドアウトしたというのだから実は既に大人気だった彼。今回は本作の日本盤リリースに合わせてプロモーションとしては初の来日が実現、ラジオなど多くのメディアに登場して彼の素顔が白日の下に…。

自分が聴いたラジオと目を通したインタビュー記事の記憶を辿ると…

クラウドは10代の頃から日本には何度も旅行で来ているらしいです。お寺など古い建物を見るのが好き、そして台湾にはないという「みょうが」が好き、日本のミュージシャンでは坂本龍一さんと玉置浩二さんが好きだということも言っていました。大学生の時に交通事故に遭って入院したことがきっかけで始めたギター、そのギターは今でも大切に使っていることや、デビューのチャンスをつかんだ大学のコンテストには彼のルームメイトが勝手にエントリーしてしまったことがきっかけだったとか、デビュー後は卵を買いに外へ出かけたら通常は5分で用が足りるのに色々な人に声を掛けられ、2時間もかかってしまった!、というエピソードも語っていました。

アルバムの話に戻りましょう。
本作は「全てアコースティックの楽器で統一したフォークのアルバムにしようと決めていた」とのこと。そうした背景には前作から3年半の間隔が開いたことに隠されています。

もちろん兵役に就いていたこともありますが、これまでにないスランプに陥ってしまったという。そんな中で彼は台北から故郷の台南まで歩いて帰る一人旅を敢行、そこで『自由』について新しい感覚が生まれたそう。加えてその道中でニック・ドレイクの「ピンク・ムーン」ずっと聴いていたことが、こんな雰囲気のアルバムを作ってみたいと思って制作に繋がっていったようです。

確かアメリカのSSW、ダンカン・シークも「ピンク・ムーン」に触発されて「ファントム・ムーン」(2001年)という超シンプルなアコースティック・アルバムをリリースしたことがあるので、ニック・ドレイクはもちろん、「ピンク・ムーン」というアルバムはとても影響力があるアルバムなんだと思うようになりました。

CDの帯にも「家にいても旅をしていても、1日中自然と聞こえるようなフォークアルバムを作りました。」と。その通りのささやかな日常のサウンドトラックになりそうな、スッと体に馴染んでいくアルバム。ただ、スティービー・ワンダーやホイットニー・ヒューストンにマライア・キャリーといったソウル/R&Bから影響を受けた彼の音楽性とボーカルが単なるフォークにさせるはずもなく、マンドリンやチェロ、アコーディオンに二胡といった音色をキラリと散りばめてノスタルジックなソウルが自然とにじみ出た、ちょうどベイビーフェイスがフォーキー路線へ向かった頃と同じ「匂い」のするアコースティック・アルバムかと思います。曲のタイトルに「夏」「ムーンライト」「星座」「蟹座」という言葉が出てくるので少し涼しくなった夏の夜空のイメージが湧いてきますね。

困難を乗り越えると人は強くなるもの。これまでは20代で若かったし「好青年!」という印象でしたが、30代になってからの本作を聴くと芯の通った大人になった印象がします。そしてずいぶん身軽になったな〜というのが歌詞とメロディーからも伝わってきます。

兵役に就いていた時に見かけた若いホームレスのことや、スマホ依存症への警鐘、彼がそうであったようなスランプに陥っている人へのエールとも言うべきテーマで書かれている歌詞は、日々の生活の中での出来事に対して敏感だという彼ならではの着眼点。ラブソングではナイーブで良い人すぎる「彼そのもの」を感じることができて微笑ましいです。

因みにBGとタイトルが同じなのは「大事なことは2度言うんです!」とのこと。どうやら自分への警鐘らしいです。彼はフォークがテーマであるこのアルバムで「下ばかり見てないで目の前にある美しい世界を見る必要がある」ということを伝えたかったのではないかと思います。

メロディーは深みがさらに増した感じ。一聴すると難しいメロディーに感じる曲が多いのですが、それが何度も聴いてみたくなり、理解しようと真剣に聴いてしまうんです。その本質が見えた時、そのメロディーはスペシャルなものになるであろうナンバーが本作にはズラッと揃っています。


自分は彼が祖母のことを思い出したというオールディーズとオリエンタルが同居したノスタルジックなB、マンドリンを取り入れたシトラス・フレイバーのC、エリオット・スミスを感じるD、そして自分からではない相手からの結婚指輪を身に付けている彼女と会う、複雑な心境を綴ったセンチメンタルなH、スランプ後の彼が随分身軽になったと感じたポップなE、切々とこみあげてくるものが伝わってくるJが好きです。ボーナストラックKはJの日本語詞バージョン。言葉の問題で歌入れには苦労したと語っていましたが、言葉の節々からは自然とソウルがにじみ出ていて、さすがです。

この「What a Folk!!!!!!」、長く愛される予感がするアルバムだと思います。そう信じています。







ラベル:asian pop 2010's SSW
posted by waterblue at 01:03| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月26日

本日の1曲:高野寛 - 国境の旅人

今回は高野さんがある記事に関してのコメントをフェイスブックに投稿していて、そこから触発されて書いてみました。そこには過去の楽曲にまつわるエピソードも書かれていて、作者がどんな思いを託して音楽を作っているのかが分かるとよりその人柄、歌詞とメロディーに深みと愛着が湧いてくる、それを思い知った1曲です。

・高野寛 - 国境の旅人

hullo hulloa.jpg




この曲は88年リリースのデビューアルバム「hullo hulloa」収録曲。そして最初のベスト盤「Timeless piece」には再録バージョンにて収録されています。

時計仕掛けのファンタジックなワルツ調のイントロから国境を自由に行き来する主人公を歌っているこの曲、「ペルシアンブルーの空を見る」「ヴィリディアンブルーの海を見る」「プラシアンブルーの夢を見た」という表現が「どんなブルーなんだろう」と想像を搔き立てられて自分はとても大好きなんですね〜。この曲はシングルにもなっていないし、もう30年くらい前になる初期に曲の割には今でも印象に残っています。この曲に関してこんなコメントを寄せています。勝手に拝借してしまいましたがどうかお許しを

親が転勤族だったから「故郷」と呼べる町がない。

静岡県出身だけど、今の実家は僕が社会に出てから建てられた家で、実家に帰っても幼馴染は近所にはいないのです。
幼稚園2つ、小学校3つ、中学2つ。大学は大阪に行ったから、成人式にも出なかったな。...

高野 寛さんの投稿 2017年9月24日


「経験」というのは形にとらわれずに色々な方法で表現ができると自分は思っています。彼は音楽を作っているからそれを歌詞とメロディー、そしてアレンジで表現したことは簡単に想像できます。ただ彼がデビュー当時からスゴかったのは、内省的にとられやすいテーマをファンタジーに置き換える語彙の豊かさ。この曲も自身を「旅人」と例え、よりグローバルな視点と想像力で表現した言葉の数々は高野さんならではないでしょうか。そしてどんなに前の作品でも「聴いたその時が新曲」にさせてしまう言葉選びと普遍的で美しいメロディーセンス。『色褪せないのではなく、進行形』そんな魅力は今も変わっていませんね。

YouTubeでオリジナルの音源を探してみましたが見つからず「土曜ソリトン」時代のスタジオライブの動画が見つかったのでそちらを貼っておきます。メロディーの美しさが際立ったアコースティック・バージョンで素敵です。

この番組でやった「デモテープ講座」を見て自分はMTRを知って宅録を始めた1人でした。いとも簡単にサッサッサと1曲作ってましたが、あれは無理デス!

高野さんは来月にミニアルバムをリリースするということなのでこちらも楽しみにしてます。それと「hullo hulloa」からは「See you again」と「夜の海を走って月を見た」も外せません。

ラベル:SSW J -pop 80's
posted by waterblue at 16:26| Comment(0) | 今週のヘビー・ローテーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする