2016年07月27日

「羊と鋼の森」とミックステープと…

今回は趣を変えて日記です。

今月初めですが遅らせながら宮下奈都さん著「羊と鋼の森」を読み終えました。今年の本屋大賞に選ばれた本でございますが、自分はある夜のニュースで偶然知ることに。

羊と鋼の森.JPG


それまで自分は「○○大賞」に選ばれたものほど興味が薄れていく人で、いわゆる天の邪鬼ってやつ。でも今回は本のタイトルと表紙がステキだな、と思って5月の連休中に買ってみました。ただ、10日以上あった連休中には1ページも開かずで仕事が忙しくなってから少しずつ読んでいきました。

ストーリーはざっくり説明すると、ひょんなことから高校の体育館にあるピアノの調律に立ち会うことになった当時高校生の主人公、外村が調律師の板鳥が作り出すピアノの音色に魅了してピアノの調律師を志すことに。外村は板鳥に弟子を懇願したことで彼が勧めた専門学校で勉強、その後彼が勤める楽器店に入社し、柳、秋野といった先輩からの叱咤激励、魅力的なピアノを奏でる和音と由仁の双子姉妹との出会い、そして多忙で会うチャンスが少ない板鳥からの貴重なアドバイスを手掛かりに外村が人間的、また調律師として無垢で、しかし貪欲に「音や響きを探す」日々成長を綴った作品。

自分みたいにタイトルと表紙が印象に残っているけどまだ読んでいない方がいらっしゃったら絶対に読んでもらいたい1冊。これは現代の話ではあるものの、懐かしい感じがして村上春樹さんの初期作品を読んでる錯覚を覚えました。冒頭の森の匂いがしたから一気にその世界観へ引き込まれていき、就寝前に音楽を聴きながらこの本を読むのが楽しみで仕方なかったり、病院での待ち時間でこの本を読んでいるときにその世界に入りすぎて自分の名前を何回か呼ばれても気づかなかったときもあったほど。本を読む楽しさを知った感じがします。やはり大賞に選ばれるにはそれ相応の魅力があるんだな、と今更ながら思いました。

楽しさだけではなくて考えさせられた所もあって、それは外村の先輩にあたる柳の存在。彼は外村が新人だった頃の教育係的な立場にいた人で、その後輩である外村との接し方が甘すぎず厳しすぎず、外村のこともしっかり尊重している「できた先輩」なのですが、こんな風に自分もできないものだろうか?と思わずにはいられませんでした。というのも現在、自分もその立場にいるわけであって、通常業務をこなしながら仕事を教えなければいけない、それも日本語が通じるとはいい難い外人となると…。わかってもらえない苛立ちで声が大きくなり完全に怒り声になってる毎日に。「これではいけない、柳さんはそんな接し方はしないはず」と思いながら仕事はしようと心がけてはいるけど…相手からすれば「とんでもない日本人だっ!」って思われてますねぇ、きっと。

そして主人公である外村の仕事の取り組み方も素晴らしい。感じた全てを受け入れて接点を見出してゆく姿勢はもっと早くこの本に出会いたかった、アラフォーの自分には取り戻したいことがたくさんありすぎて悔しさを感じました。

宮下奈都さんの作品はこれから掘り下げて読んでみようと思っています。



★トラックリストはこちら➡West Coast Sounds of the Netherlands by Martijn Soetens

音楽の方は最近iTunesでプレイリストを作るよりも、友人がミックステープをよく聴いているということを知って自分も真似して聴いています。彼も自分もAOR/シティポップ系のものを聴いていることが多く、レアな楽曲に出くわすこともあって「音楽の福袋や〜」的な感じで楽しいです。今回のチョイスは海外のブログ「AOR DISCO」からオランダ産のウエストコースト・ロック集。とはいってもベニー・シングスにジョヴァンカ、ウーター・ハメルと日本でもよく知られているアーティストが入っているので良質なポップ・ソウル集といえますね。こちらはダウンロードできるのでiTunesなどのライブラリーに加えてみてはいかがでしょうか。


posted by waterblue at 15:23| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする