2017年10月20日

本日の1曲:Roxette - The Sweet Hello, The Sad Goodbye

天気が悪い…秋を通り越して冬になってしまいそうな感じですね…
そろそろ秋のプレイリストを作らないと、と現在選曲している最中です。季節のプレイリストはその時に自分が聴きたいテイストのものがテーマになって選曲していますが、今年は歌い上げ系の女性ボーカルものが聴きたいのでそれで統一してみようかと。本日の1曲はその先行カットで紹介。

・Roxette - The Sweet Hello, The Sad Goodbye(YouTube)


Rarities.jpg


この曲は彼らの3rdアルバム「Joyride -ふたりのときめき-」(1991年)からの3rdシングルとして91年10月にリリースされた「Spending my time」のアルバム未収録のB面曲。初めてこの曲を聴いたとき、「これでB面なんだ…」と思った…。




ロクセットならではの切なさ満載な1曲、特にイントロと間奏で奏でられたピアノの音色が北欧の透明感を強く感じられて好きです

91年当時の彼らは人気絶頂。「Joyride」は売れに売れて1000万枚以上のセールスを記録したといわれています。確かに収録曲はどれもしっかりと作られているのが伝わってくるし、このレベルの曲がB面に回ってしまうほど他の楽曲も充実していたことがよくわかります

この曲は後にLaura Braniganが7thアルバム「Over my heart」(1993年)で取り上げています。こちらはギターが前に出て、彼女独特のキリッとしたボーカルが映えたロックな仕上がり。

・Laura Branigan - The Sweet Hello, The Sad Goodbye(YouTube)


ロクセットというとメロディーが先行しているイメージを持たれがちですが、実は歌詞も秀逸。特に別れの歌は感情とシチュエーションがクッキリと見えてきて感情移入しやすいんです。そのためにマリーとローラも似たような解釈を持って歌っているように感じます。

この曲は95年の来日公演を記念してリリースされたアルバム未収録曲とデモ音源のコンピ盤「Rarities(邦題:ヒッツ・アフター・ヒッツ)」に収録されています。この少し前に「Sleeping in my car」が日本でも大ヒットしての来日公演だったので注目度が俄然高くてライブのレビューが新聞に載ったこともよく覚えています。この盤はオリコン・アルバムチャートでもトップ20入りするほどのヒットになっています。




『MTV アンプラグド』のライブ音源や映画「スーパーマリオ」の主題歌となった「Almost unreal」のデモバージョンも入っていたり、ファンとしては押さえておきたい1枚かと思います。ダウンロード配信もされているので入手は簡単です。


posted by waterblue at 17:36| Comment(0) | 今週のヘビー・ローテーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

孤独なハートへ処方箋: Yesterday's Headline - Lonelyhearted

今回は秋っぽいアコースティックな感じものを紹介。

Lonelyhearted EP.jpg


・ Yesterday's Headline - Lonelyhearted EP
@ If you go (YouTube)
A Would you be (YouTube)
B Lonelyhearted (YouTube)
C Yellow train (YouTube)


この「Lonelyhearted」はAndrewとJesiscaによるデュオ、Yesterday's Headlineがインドネシアのネットレーベル、inmyroom recordsから2008年にフリー・ダウンロードでリリースした1st-EP。

💛inmyrooms records- Yesterday's Headline - Lonelyhearted

アコースティック・ギターと2人のボーカル、ただそれだけで奏でられた4曲はどれも力の抜けた柔らかなぬくもりが感じられて、まるで心の傷口にそっと優しく絆創膏を貼ってもらった感じ、もしくは冴えない気持ちを察して何かを語らずとも傍にいてくれる友人みたいな感じに聴こえてリラックスできます。

このデュオに関して詳しいことは名前くらいしか分かりませんが、でもでもセンチメンタルなアコースティック・ポップを聴かせてくれる素敵なEPです。せっかくのフリーDLなので気に入ったらダウンロードしてみてはいかがでしょうか。
posted by waterblue at 02:07| Comment(0) | Free DL and Name your price | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月08日

大事なことは2度言う:Crowd Lu - What a Folk!!!!!!

今回は8月にリリースされた台湾のSSW、クラウド・ルーの最新作「What a Folk!!!!!!」を紹介。

what a folk.JPG


@ Happy Chakara
A 一坪半〜4.95u Dream〜 (YouTube)
B 携帯(一) (YouTube@) (YouTubeA)
C 夏の歌
D ムーンライト備忘録
E 今日はここで眠ろう (YouTube)
F 善良なメガネ
G 携帯(二)
H ウェディング・リング (YouTube)
I 星座の愛情物語〜蟹座は愛し続けられるのか (YouTube)
J 自分を信じなきゃ (YouTube)
K いつも信じて(「自分を信じなきゃ」日本語 ver.)(YouTube)




本作は5作目。2013年から3rd「Slow soul」(2011年)、4th「僕のギターポップ」(2012年)と日本盤でのリリースがスタート、ただ当時彼は兵役義務で入隊中だったために活動は休止状態でプロモ来日は実現せず。除隊後はシングルのMVを広島で撮影したり、サマーソニック参戦に単独ライブ、チケットは数時間でソールドアウトしたというのだから実は既に大人気だった彼。今回は本作の日本盤リリースに合わせてプロモーションとしては初の来日が実現、ラジオなど多くのメディアに登場して彼の素顔が白日の下に…。

自分が聴いたラジオと目を通したインタビュー記事の記憶を辿ると…

クラウドは10代の頃から日本には何度も旅行で来ているらしいです。お寺など古い建物を見るのが好き、そして台湾にはないという「みょうが」が好き、日本のミュージシャンでは坂本龍一さんと玉置浩二さんが好きだということも言っていました。大学生の時に交通事故に遭って入院したことがきっかけで始めたギター、そのギターは今でも大切に使っていることや、デビューのチャンスをつかんだ大学のコンテストには彼のルームメイトが勝手にエントリーしてしまったことがきっかけだったとか、デビュー後は卵を買いに外へ出かけたら通常は5分で用が足りるのに色々な人に声を掛けられ、2時間もかかってしまった!、というエピソードも語っていました。

アルバムの話に戻りましょう。
本作は「全てアコースティックの楽器で統一したフォークのアルバムにしようと決めていた」とのこと。そうした背景には前作から3年半の間隔が開いたことに隠されています。

もちろん兵役に就いていたこともありますが、これまでにないスランプに陥ってしまったという。そんな中で彼は台北から故郷の台南まで歩いて帰る一人旅を敢行、そこで『自由』について新しい感覚が生まれたそう。加えてその道中でニック・ドレイクの「ピンク・ムーン」ずっと聴いていたことが、こんな雰囲気のアルバムを作ってみたいと思って制作に繋がっていったようです。

確かアメリカのSSW、ダンカン・シークも「ピンク・ムーン」に触発されて「ファントム・ムーン」(2001年)という超シンプルなアコースティック・アルバムをリリースしたことがあるので、ニック・ドレイクはもちろん、「ピンク・ムーン」というアルバムはとても影響力があるアルバムなんだと思うようになりました。

CDの帯にも「家にいても旅をしていても、1日中自然と聞こえるようなフォークアルバムを作りました。」と。その通りのささやかな日常のサウンドトラックになりそうな、スッと体に馴染んでいくアルバム。ただ、スティービー・ワンダーやホイットニー・ヒューストンにマライア・キャリーといったソウル/R&Bから影響を受けた彼の音楽性とボーカルが単なるフォークにさせるはずもなく、マンドリンやチェロ、アコーディオンに二胡といった音色をキラリと散りばめてノスタルジックなソウルが自然とにじみ出た、ちょうどベイビーフェイスがフォーキー路線へ向かった頃と同じ「匂い」のするアコースティック・アルバムかと思います。曲のタイトルに「夏」「ムーンライト」「星座」「蟹座」という言葉が出てくるので少し涼しくなった夏の夜空のイメージが湧いてきますね。

困難を乗り越えると人は強くなるもの。これまでは20代で若かったし「好青年!」という印象でしたが、30代になってからの本作を聴くと芯の通った大人になった印象がします。そしてずいぶん身軽になったな〜というのが歌詞とメロディーからも伝わってきます。

兵役に就いていた時に見かけた若いホームレスのことや、スマホ依存症への警鐘、彼がそうであったようなスランプに陥っている人へのエールとも言うべきテーマで書かれている歌詞は、日々の生活の中での出来事に対して敏感だという彼ならではの着眼点。ラブソングではナイーブで良い人すぎる「彼そのもの」を感じることができて微笑ましいです。

因みにBGとタイトルが同じなのは「大事なことは2度言うんです!」とのこと。どうやら自分への警鐘らしいです。彼はフォークがテーマであるこのアルバムで「下ばかり見てないで目の前にある美しい世界を見る必要がある」ということを伝えたかったのではないかと思います。

メロディーは深みがさらに増した感じ。一聴すると難しいメロディーに感じる曲が多いのですが、それが何度も聴いてみたくなり、理解しようと真剣に聴いてしまうんです。その本質が見えた時、そのメロディーはスペシャルなものになるであろうナンバーが本作にはズラッと揃っています。


自分は彼が祖母のことを思い出したというオールディーズとオリエンタルが同居したノスタルジックなB、マンドリンを取り入れたシトラス・フレイバーのC、エリオット・スミスを感じるD、そして自分からではない相手からの結婚指輪を身に付けている彼女と会う、複雑な心境を綴ったセンチメンタルなH、スランプ後の彼が随分身軽になったと感じたポップなE、切々とこみあげてくるものが伝わってくるJが好きです。ボーナストラックKはJの日本語詞バージョン。言葉の問題で歌入れには苦労したと語っていましたが、言葉の節々からは自然とソウルがにじみ出ていて、さすがです。

この「What a Folk!!!!!!」、長く愛される予感がするアルバムだと思います。そう信じています。







ラベル:asian pop 2010's SSW
posted by waterblue at 01:03| Comment(0) | 音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする